たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき/近藤芳美

舞台演出のような描写が印象的な歌だ。

ゆらりと彼女の姿が見えなくなったあと、主人公の男の回想シーンに入っていく。とあるクラシックの緩楽章が聴こえてくる、みたいな。

視覚、聴覚の活用、現在から過去へ橋渡しする霧の効果が巧みな一首である。