御垣守衛士の焚く火の夜は燃え昼は消えつつものをこそ思へ/大中臣能宣

夜は燃え、昼は物思いにふける恋の様子をビジュアルとして生き生きと表現したものだ。分かりやすいたとえであり、意味がとりやすい。

今を生きる我々にしても、昼と夜では別の顔を見せる人はたくさんいる。誰かが仕事の場と酒の席といった対比で違う側面を見たりすると、意外だったり、親近感が沸いたりするものだが、昔から夜はテンションが上がる時間帯だったのだろう。そこに合理的の理由はないだろうに、不思議である。

昼には消されてしまう御垣守の焚く火が、くすぶる思いを暗に表現する。百人一首に入る一首である。