やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに/石川啄木

故郷の景色を思って、郷愁を覚える歌。

思い立ったらすぐ飛行機か新幹線に乗れる現代では、少し響きかたが変わってしまう歌かもしれない。

ただ、コロナ禍の今となっては、帰るにも帰れない故郷というのは、わりとリアルに感じるものがある。啄木もこういう心持ちだったのか、と多少なりとも思うところはある。

「や」わらかに「や」なぎ、「き」たかみの「き」しべ。実は音韻も巧い一首でもある。