いくばくか夜の明けおそくなるころの善悪もなき生の寂しさ/佐藤佐太郎

じっと感じるものがある歌だ。

人生でもっとも辛いのは、良い時間を過ごしている時でも、悪い時間を過ごしている時でもない、なんでもない時間。そして、なんでもない時間がもっとも人生において長いのである。

人生の凡庸さをどうしのぐかが、生きる証であり、生きる意味につながる。大事なのは、形容しがたい中途半端な時間帯をいかに生きるか、である。