住の江の岸による浪よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ/藤原敏行

住の江の岸に寄る波、その夜の夢での通い道さえ、人目を憚るのはなぜでしょうか。

寄ると夜が掛かっている。女性の立場で歌ったもので、通ってくる男性を波に喩えている。

夢でさえ通ってきてくれないと言われるなんて、相手の男性には気の毒な気もしなくはないが、それだけインパクトが与えられていないのだろう。

「夢の通り路」というロマンチックな表現が巧い、百人一首のひとつである。