あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ/小野茂樹

夏にノスタルジーが似合うのはなぜだろう。

夏休みがあり、甲子園があり、帰省があり。永遠に続くと信じた、長く退屈なのにずっと浸かっていたかったあの日々。『涼宮ハルヒの憂鬱』とか、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』とか、夏と永遠とかけがえのなさを紐付けた作品は数知れない。

「かぎりなき」「たつた一つの」は相反しているのに、なぜだか伝わってくるこの言語感覚がすごい。その表情は一瞬だが、そのひとつひとつは無限で無数の、どれもが大切な青春の思い出なのだ。