夫より呼び捨てらるるは嫌ひなりまして〈おい〉とか〈おまへ〉とかなぞ/松平盟子

今でこそ、おいとかお前だけで済ませる男性は減っているものの、昔からそう呼び続けていた人にとってはそれの何が悪いのかわからなかったりするものである。

社内の会話におけるやり取りにしてもそうだ。昔は冗談で済んでいたものが、今ではセクハラやパワハラになりかねないことが多々ある。指摘されると気まずそうに、窮屈な時代になったものだと苦笑いする。

人のことはさておき、せっかく短歌に親しんでいるのだから、言葉には敏感でありたいと思っている。許されるユーモアになるのか、冗談ではすまされないのかは、言った人の判断では決まらないのだ。受け取る人の解釈あっての言葉。それはこわさを含む反面、おもしろいものでもあるのだから。