手のひらに豆腐をのせていそいそといつもの角を曲りて帰る/山崎方代

謎かけのような歌、摩訶不思議な歌、技巧が光る歌、語感が良い歌、いろいろ取り上げているが、たまにはこんな歌を。

そこに狙いやアピールなどなく、生活そのものがそのまま短歌になったようだ。

短歌は、他の詩歌よりも芸術度が問われないような気がする。生きることは歌うこと、そんな人々の生の言葉。「手のひらに豆腐」、「いそいそ」、「いつもの角」、誰にも当てはまりそうな(手のひらに豆腐は若干古いが)生活感がすごい。

あまりの飾り気のなさが一周回って、普遍性を獲得しているのだろう。