やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君/与謝野晶子

数多くある恋の歌の中でも、ひときわ燃える恋の歌を作った与謝野晶子。
 
歴史的に「奥ゆかしい女性」の歌が多い中で、ひとりの熱き女性としての思いが全面に表れた歌は、現代の女性にも共感を与えるものだろう。

男というものは、愛や恋などそっちのけで理想や夢を語りがち。ひとりの世界に浸りながらも自覚がない男性に対し、一番近くにいるのに振り向いてもらえない女性の立場からの一途な思いが読み取れる。

俵万智の現代語訳もシンプルで素晴らしい。

燃える肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの

「寂しくないの」の部分に、元の歌の良さである女性の主体性が維持されている。

出典:
みだれ髪 (角川文庫)
与謝野 晶子
2017-06-17