火も人も時間を抱くとわれはおもう消ゆるまで抱く切なきものを/佐佐木幸綱

時間を抱く、と表現してしまうセンスが素晴らしい。

「われはおもう」と、わざわざ一字多く表現しているところがポイント。われおもうだけでは弱かったであろう主張が、よりゆったり朗々と、時間を含んだものとなった。

ゆらゆらと揺れる炎を見つめていると、別の世界に移っていくような不思議な感覚に陥る。時間の伸縮を感じるのは、火そのものが時間を含んでいるからかもしれない。