死ぬものと決めて嘆きし言の葉もここにのこりて年を越すわれは/上田三四二

医者であった作者は、一時期悪性の腫瘍に冒されて死を覚悟する日々だった。結果的に克服することになるが、死が隣にある人生は、作風に影響を与えないはずがない。

常に最期のつもりで生きる日々とは一体どのようなものであったか。絶望しながらも、どこか希望をすてていないように読める。そうでなければ、既に自死するか、短歌を残したりなどしないだろう。

悲痛な思いで残した短歌が今ここにあり、こうして誰かによって読まれている奇跡。感慨深いものがある。