鈴虫の鈴ふる声のをさなさやわがめとるべき時近づきぬ/穂積忠

鈴虫のか弱い音色をまもなく迎える妻の姿と重ねる。見合い結婚の時代の期待と緊張が透ける一首だ。

ちなみに、鈴虫は秋の涼しげな風物としてよく取り上げられるが、実際に飼ってみるとその音量の凄まじさには絶句する。

かつてたくさん飼っていた者からすると、鈴虫は決してか弱くない。大音量で自己アピールできるたくましい生き物だ。

別にそのイメージから、この一首を解釈しようというわけではない。いや、決して。